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■仏様の着物には袖がありません。 ■1枚または2枚の布を巻きつけています。 |
※偏衫は褊衫とも書きます。 |
仏様は一枚の長方形の布を、着物としてまとっています。簡単に言えば、インドのサリー(インドの婦人服)と同じような格好です。 中国や日本では、下半身を裙くんあるいは裳もと呼ばれる巻きスカートのようなものと、上半身を覆うものとの二枚構成が中心となります。 サリーでは右肩を出して着るのが一般的ですが、仏様では、右肩を出して着る場合と、両肩を覆って着る場合があります。
右肩を出して着る着方を、偏袒右肩へんだんうけんといいます。右肩を偏ひとえに袒はだぬぐ着方です。偏露右肩、偏袒一肩、偏露一膊とも言います。また偏袒へんたんと略す場合もあります。 右肩を出すのは敬意を表します。もともとは給仕など、仕事をするのに便利だったことから、仕える、敬意を表す、となったようです。 また、右手が利き手である人が多いので、右手を露にする事は、攻撃しないことを示すものとして礼法となった、食事など清浄なことに使う右手に対し、左手は不浄なものも扱う手なので覆って隠す、などの考え方もあります。 中国では、片肌を脱ぐことは好まれず、僧祗支そうぎしと呼ばれる薄い衣を着けたり、偏衫へんさんと呼ばれる僧祗支を発展させたものを併せて着るようになりました。 僧祗支はインドからのもので、バスタオルを羽織ったような形になります。女性の胸が露わになることを防ぐため着用が定められ、後に男性にも広がりました。
偏袒右肩に対し、両肩を覆った着方を通肩と言います。通両肩、通披つうひとも言います。お経を読んだり、托鉢、座禅、説法などは、この着方で行います。通肩は福田ふくでんの相を示す、と言われます。福田は、善い行いの種をまいて、功徳と言う収穫を得る田、という意味です。 教えを請う時や道中で三師に会えば、偏袒右肩すべき、と言われています。三師とは、僧侶になるための儀式で必要な三人の師匠=戒和上かいわじょう羯磨師こんまし教授師きょうじゅしを言います。
最もシンプルな服装は、○○如来と呼ばれる仏様の服装です。全てを捨て出家したお釈迦様がモデルなので、装飾品などは一切ありません。衲衣のうえ=袈裟と呼ばれる大きな布で体を包むだけです。ただし、大日如来だけは例外で装飾品をつけています。 ○○菩薩と呼ばれる仏様は、出家前のお釈迦様をモデルとしているので、インドの王族の服装をしています。腕輪やネックレス、冠など色々な装飾品を身につけています。 ○○明王になると、ほとんど衲衣つけず、下半身の裙だけで裸に近い姿をしています。 |
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