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■一念三千は、智ちぎという中国の僧侶によって創唱された言葉です。 ■智は天台宗の実質的な開祖で、一念三千は天台宗の特徴ある言葉です。 |
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一念には二通りの意味があります。一つはきわめて短い時間を指します。諸説ありますが、一念は0.8〜1.2秒くらいです。 もう一つは、心のわずかな働きを意味するもので、私達が日常におこす瞬間的な心をいいます。この心の内容によって、信心したり、理解を深めたり、というようなことになります。
3,000という数は、 十界じっかいは境地や生存する所を10種類に分類したもので、地獄界・餓鬼界・畜生界・阿修羅界・人間界・天上界・声聞しょうもん界・縁覚えんがく界・菩薩界・仏界、の10種類です。 界は単独個別に存在するのではなく、互いに他の界と係わりあっているので、10界×10界となります。 如是にょぜは、すべての存在の、ありのままの姿を示す言葉です。十如是じゅうにょぜは、あらゆる存在は何であるか?どのようであるか?を10のカテゴリーで考えたものです。 3種類の世間とは、五陰世間ごおんせけん、衆生世間、国土世間です。 五陰世間は、色・受・想・行・識の五蘊からなる世界。衆生世間と国土世間とを作り上げている五つの要素です。 衆生世間は、生き物たちの世界。物と心とのかかわり合いの境地。 国土世間は、生き物たちが住む自然環境としての世界です。
三千を分解すると上記のようになりますが、3,000という数は宇宙森羅万象の現象を総称したもので、「あらゆる」という意味です。 一念三千は、わたしたちが日常におこす一瞬一瞬の思い=一念に三千の要素がそなわっている、一念の中に三千のあり方を内含している、という主張です。 天台宗では、この理をみずからの体験を通して身につけることが修行の極到とされています。 |
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