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■九重守は最高峰のお守りと言われます。 ■その成り立ちや由緒は、不明な点が多いお守りです。 ■紅葉之守と呼ばれる物もあります。 |
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九重守は巻物形式のお守りです。幅が数センチ、長さは1メートル強から数メートルに及ぶ物まで色々あります。左の写真のように、軸先はなくキッチリと巻かれ、その上を布で包み、布は糊付けされ、上下までスッポリと封印されています。一度解くと、まず元の寸法には収まりません。そのくらいキッチリ巻かれています。
内容は、写真2や3のように、仏像、曼荼羅、ご真言などが沢山書かれています。中心となる仏様や、仏様の配列の違い、掲載量など、かなりのバリエーションがあります。また陰陽道的な九曜星や二十八宿などを掲載する物もあります。作られた時期や、出版元=宗派による違いのようです。 天台系が最初で、真言系は後発と言われていますが、出版元の明記は少なく、巻末に伝教大師が載っているので、天台系かな、と分かる程度です。 標準的と思われる構成は、烏瑟沙摩明王うすさまみょうおうとそのご真言から始まり、曼荼羅と仏像が各々100前後掲載されています。 |
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印刷の品質は、ピンキリです。上に掲載したものは、いずれも粗悪品の方ですが、この程度のものが多いようです。全部印刷してあれば、まだ良い方で、中には最初の1メール位しか印刷していない物もあります。 また、コピーを防ぐ為、わざと雑に印刷し、かすれや、ズレなどを生じさせた、とも考えられます。 もっとも、見たり読んだりする物ではありませんので・・・お守りですから。現在解かれている物も、元は封印されていたはずです。
元々は、仏像の中に納める品として作られたり、毎年一定数だけ限定版として発行されるなど、かなり貴重品であったようです。したがって、宮中や上級武士など、限られた人に授与されていたはずです。 写真1や4は高品位の物と思われます。菊の御紋が付けられていて、さらに金襴の袋に納められています。 今の感覚からすると、かなりかさ張るお守りですが、守り本尊として、旅に持ち歩くこともあったようです。
尊い人の居る所は、何重にも囲まれているので、九重は天皇や天皇の住まいを表します。したがって九重守は尊い人が持つお守り、ないしは尊い世界から下賜されたお守りとなります。
外見がよく似ていて、法華経などお経のみが書かれている、マメ本的な巻物もあります。こちらもお守りとして持つもので、読む為の物ではありません。 写真5は、文字の大きさが一文字4ミリ角くらいです。良く出来ています。物差しが無ければ、通常の経本と見間違うでしょう。原寸で作業したのでしょうから、書き手も、彫り手もすばらしい技術です。 |
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