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■節分は季節の分かれ目で、立春、立夏、立秋、立冬、の年4回あります。 ■ところが昔の暦では立春から新年が始まるので、立春の前日だけを節分と言うようになりました。現在の暦では2月3日または4日になります。 |
寒山と拾得
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節分の行事は新年を迎える行事で、除災招福を願い色々な形で行われてきました。なかでも鬼を払う豆まきはよく知られています。 この豆まきは、古来からあった米をまいて悪霊を祓う習慣と、中国の大豆をまいて鬼を払う方法とがくっついたようです。豆は魔を滅する=魔滅(マメ)に通じます。 また、鬼を寄せ付けない方法として、鋭い葉を持つ柊ひいらぎを門口に付けたり、さらにそこへ臭気の強い焼いた鰯いわしの頭を付ける場合もあります。
正す月で正月。そこで正月には、前年を省みて間違いを改め、今年の吉祥を祈ります。この祈願会を、正月に修するので修正会しゅしょうえといいます。2月に行われる場合は修二会しゅにえといいます。 昔の修正会は国家的事業でしたから、祈願の目的も天下泰平や国家安泰、五穀豊穣などで、数日間に渡って行われました。そして、最後の日に舞楽などのイベントが行われました。豆まきもそのひとつです。 ただし節分の豆まきとは、意味するところが少し異なります。
立春までは寒く、多くのものが冬眠し苦労する期間。立春からはすべてが動き出す陽気な期間。そこで「苦労の期間=鬼は外、陽気な期間=福は内」となります。
唐代の人で、僧侶のようであり、寺男のようでもある、寒山かんざんと拾得じっとく、という詳細不明の不思議な人物がいます。天台山や寒山寺に暮らしていたといわれます。むさくるしい風体で、二人が笑っているか、問答している絵で知られています。 この二人は、お寺でのんきに掃除だけをして暮らしていたようです。ところが毎日掃除することで、ひたすら勉強する僧侶より、はるかに迷いや欲望をどう払ったら良いかを悟っていた、といわれます。 「塵ちりを払い垢あかを除かん」という言葉があります。塵と垢は迷いや欲望です。修正会では、迷いう心や災難を鬼で表現します。 迷いや欲望を除く、それによって幸福が得られる。これはお爺さんとお婆さんが仲良く並び熊手とほうきを持っている絵につながります。家庭円満、長寿の代表的な絵です。熊手は福をかき集め、ほうきは迷いや欲望をはき出します。 迷いや欲望は鬼、これが「鬼は外、福は内」の言葉へとつながります。
過ちを悔い、これからの平安を祈る法要を、悔過法要けかほうようといいます。どの仏様に祈るかで、吉祥天悔過、薬師悔過、阿弥陀悔過などと呼びます。 これらの法要は正月に限らず、何かの区切りの際に行われます。修正会の源流はこの吉祥天悔過といわれています。 |
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