釜うらない

鳴釜
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釜でお湯を沸かし、米を蒸すようにします。
湯気が上がる頃、ボーとうなり声のような音が出ます。
鳴り具合で吉凶を判断します。


全体図

 

 

お米を入れるセイロの写真
大きさはいずれも
直径約25cm長さ約45cm

上が細くなっているタイプ

 

中央が太くなっているタイプ

 分類

占いは大雑把に分けると二通りになります。ひとつは暦や易など、統計的な客観的占い。もうひとつは神託のようなお告げ的占いです。釜占いは、前者の客観的占いに属します。古くは宮中でも行われたと言われます。

 鳴釜神事 なるかましんじ

岡山県の吉備津神社に伝わる神事です。神官と阿曽女あそめorあぞめと呼ばれる巫女と二人で行われます。阿曽女が湯を沸かし、釜の上のセイロにお米を入れると大きな音が出ます。神官が祝詞を読み終える頃には、音も自然に収まります。

 修験道の鳴釜

吉備津神社の鳴釜は、御釜殿と呼ばれる建物に常設された大きな釜で行われます。セイロも一抱えするような大きさです。

それに対し直径30cm足らずのお釜で行う小型の鳴釜もあります。常設の道場でも行われますが、小型で持ち歩けるため、その機動性を生かした占いも行われます。

家の中を持って歩くと、音が止まる場所があります。そこから一歩離れると、また鳴り出します。音が止まる場所は問題のある場所とされます。また、死期が近づいた人の居る部屋では音が止まり、助かりそうも無い病人でも、助かる時には鳴り続けると言われます。

 釜立法 

火力は通常、炭やマキを使います。30cm位の釜で、水は約500cc、お米は1.2Kg程使います。
釜の準備が整い火が入れられると、お経が始まります。湯気が上がり始めた頃に釜立歌が唱えられます。釜立歌は50字程度の上の句と下の句に分かれた短い詩です。内容は、鳴って占い事に答えて下さい、という意味の詩です。

 吉凶の判断

基本的には丑寅辰午未戌の各日に鳴れば吉。その他の日に鳴るのは凶とされます。

音は強く長く鳴るほど良いとされます。判断は占いを望んだ人が聞き取った感じが第一となります。

 物理的には

左の写真のようにお釜に乗せるセイロの形は二種類あります。中央が膨らんだ物の方が音が出やすいようです。下のほうにお米を乗せる網状になった部分=濾し器こしきがあります。

音が出るのは、お米と蒸気の温度差から生じる振動と言われています。場所によって音が止まったり鳴ったりすることについては、まだ明快な説明を見聞きしたことがありません。

また、七かま湯といって、七本の笹を入れて鳴り具合で占う方法もあります。

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