「花まつり」は第二次大戦後に広まった名前で、本来は灌仏会かんぶつえ仏生会ぶっしょうえ浴仏会(よくぶつえ降誕会こうたんえ竜華会りゅうげえなどと言います。
いろいろな花で飾った小さなお堂(花御堂)の中に、甘茶の入った水盤を置き、あかちゃんの姿のお釈迦様の像(誕生仏)を祀ります。ときにはこの花御堂を白い象にのせて練り歩きく場合もあります。お参りの仕方は、誕生仏の頭からひしゃくで甘茶をそそいでお参りします。
お釈迦さまの父親は釈迦族の王様で浄飯王、母親は摩耶姫といいます。出産のため実家に向かう途中のルンビニー園で生まれました。
お釈迦さまは生まれると、すぐに七歩ほど歩み、右手で天を、左手で地を指さして
「人は誰でもこの世に一人だけであって予備の人間はいない。命は貴いものである。私は苦しむ人々を救うことを第一としよう」
といいました。
すると天に住む竜が感激して甘露の雨を降らしたといいます。
花御堂はルンビニー園を、甘茶は龍が降らした甘露の雨を表わします。
花まつりは、インドや中国でも古くから行われている行事です。日本では推古天皇の時代(606)に元興寺で初めて行われました。お釈迦さまの誕生を祝い、お釈迦さまの智慧と慈悲の教えを信じてゆくことを誓う日です。また、子供がすくすくと育つことを祈る日でもあります。 |