無尽蔵

むじんぞう
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無尽は無くなることが無いこと。
尽きることのない広大な徳 "無尽"
今も活躍している無尽会社。

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 無尽蔵・無尽灯 むじんぞう ・ むじんとう

無尽蔵は、サンスクリット語のアクシャヤアーカラまたはアクシャヤコーシャの訳で、尽きることのない蔵、となります。

無尽は無限の功徳があることです。有難さを、いくら取り出しても尽きることがない宝の蔵に例えられました。似たような言葉で、無尽灯と言う表現があります。こちらは、無限に広がる教えを、灯りの広がりに例えたものです。

教えを聞いた人は導く人となり、その繰り返しによって、たくさんの人が救われる様子を、一つの灯りからたくさんの灯りが、次々に採れることに例えられました。

後に、昼夜を通して点けて置く灯火=長明灯ちょうみょうとうのことも、無尽灯と言うようになりました。こちらは油を補給すれば、いつまでも灯りが続くので無尽灯となりました。

いずれも、灯りを分ける、あるいは灯りを維持する継続的な努力=精進が必要です。精進するところに無尽の功徳が得られるのです。

 十種の無尽蔵

数多いものを取り扱うお経としては、華厳経が有名です。華厳には「一は多であり、多は一である」という考え方があり、膨大な桁数の名称も、このお経の中に出てきます。そして無尽蔵の話も出てきます。

菩薩と呼ばれる人達が、なすべき事や心得るべき事が、信蔵、戒蔵、慚蔵愧蔵聞蔵施蔵、慧蔵、正念蔵、持蔵、弁蔵、の十種類の無尽蔵で示されています。いずれの蔵=項目も常時努力することが大切で、その精進によって計り知れない効果=無尽蔵の功徳があり、それによってたくさんの人が救われる、と説かれています。

無尽蔵は、いろいろな功徳が限りなく湧き出ることでしたが、実質的なお宝にも無尽蔵の名が使われました。

 銀行になった無尽講

中国では、おにある金融機関を無尽蔵と呼びました。原型はインドにあります。信者から寄進されたお金や余剰品を運用し、その利益を飢饉の救済や、お寺の維持費に充てました。永久に基本財産とする資金の寄付は、無尽財供むじんざいくと呼ばれました。

中国では南北朝時代から始まり、だんだん盛んとなって、後に長生庫ちょうしょうこ庫質銭くちせん解典庫げてんこなどとも呼ばれました。

日本では、掛け金をして相互に融資し合う、専門的な金融組織になり、関東では無尽講、関西では頼母講たのもしこうなどと呼ばれました。

明治時代になると無尽講は企業化し、無尽講〜無尽会社〜相互銀行〜銀行へと変化しましたが、現在でも一社だけ土地や建物を扱う無尽会社が存続しています。

また、無尽講の変形版で漆器販売が行われ、これが月賦販売のはじめて、となったようです。

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