七   難

しちなん
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七種類の災難。
お経によって七種類の内容は異なります。
いずれの場合も、そのお経を読んだり奉持すれば、災難から免れることができる、とされています。

 一覧にしてみる・・・

代表的なお経に登場する七難を一覧表にしてみました。中でも特に有名なのが、仁王般若経の七難です。

仁王般若経は国王に対して、般若経を崇敬して読めば護国につながる、と説かれたお経です。 このお経の受持品と呼ばれる部分に

一切國王爲是難故講讀般若波羅蜜。七難即滅七福即生。萬姓安樂帝王歡喜。国土に七難がある時、国王がこのお経を読めば、七つの難はただちに滅んで七つの福が生じ、人々は安楽となる。

と書かれています。この七難即滅七福即生しちなんそくめつしちふくそくしょうの部分が、よく七福神ご利益の説明に引用される部分です。

薬師瑠璃光如来本願功徳経やくしるりこうにょらいほんがんくどくきょうでは、国に七難が起きたときは、大赦を発令し、薬師如来供養をすれば国土が安穏となる、とされています。

法華経普門品ほけきょうふもんぼんは観音経と呼ばれる部分で、観音様の力を信じる者は色々な難を滅することができる、とされています。

観音義疏かんのんぎしょは、観音様のご利益についての注釈書なので、七難の内容は、ほぼ法華経普門品と同様です。

陀羅尼集経だらにじっきょうは、いろいろな密教経典を集めたお経です。第十巻は摩利支天の功徳について書かれた部分で、七つの難から護られる話が登場します。

仁王般若経
受持品第七
薬師瑠璃光如来本願功徳経 法華経普門品 観音義疏 陀羅尼集経
巻第十
日月失度難
にちがつしつどなん
太陽や月の異変、日食など。
人衆疾疫難
にんしゅしつえきなん
疫病。
火難 火難 王難
星宿失度難
しょうしゅくしつどなん
星の運行の異変、金星や彗星などか変現する。
他国侵逼難
たこくしんぴつなん
侵略される。
水難 水難 賊難
災火難
大火災。鬼火、龍火など
自界叛逆難
じかいほんぎゃくなん
内乱。
羅刹
らせつなん
悪霊の難。
羅刹難 水難
雨水難
洪水、土石流など。
星宿変怪難
しょうしゅくへんげなん
刀杖難
とうじょうなん
刃物などの難。
王難
悪王の暴逆。
火難
悪風難
大風が吹いて国土が荒れる。
日月薄蝕難
にちがつはくしょくなん
鬼難
きなん
死霊の難。
鬼難 羅刹難
亢陽難
こうようなん
ひでりで穀物が実らない。
非時風雨難
ひじふううなん
時期はずれの大雨。
枷鎖難
かさなん
牢獄に捕らわれる難。
枷鎖難 茶枳鬼難
だぎにきなん
※爾はフォントにないので代用です。人偏が付きます。
悪賊難
四方より賊が来て、国を侵略する。火賊、水賊など。
過時不雨難
かじふうなん
降るべき時に雨が降らない。
怨賊難
おんぞくなん
怨賊難 毒薬難

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