作務衣

さむい or さむえ
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作務衣は、禅僧が作務に適するように僧衣を改良したのが始まりといわれています。
作務衣には、いろいろな形があります。

 禅宗で始まった作業着

禅宗の寺で、僧が日常の雑事=作務を行う時に着る服を作務衣といいました。作務衣は当初、作務を行う時に着るもの全般をさし、特に形が決まっていませんでした。

最初は上衣が膝くらいまであり、ズボンにはマチがあって道場袴に近かったようです。今日のような形の作務衣は、戦時下で女性が使用した、もんぺを参考にして生まれたもの、といわれ現在の姿は以外に歴史が浅いのです。

和の雰囲気があり、着やすさと便利さから急速に広まり、各宗派はもとより一般でも用いられるようになりました。寺院用は着物の袖を納めるため、一般のものよりも袖が太く出来ています。

 作務って何?

禅寺では、修行僧が集団的に定住生活をするようになったので、修行僧による自給自足が原則となりました。

庭掃除から建物の修繕まで、修道生活と寺の維持に必要な一切の仕事を修行僧が行います。その仕事を作務といいます。

作務は、世間でいう作業や労働とは少し異なります。作務は生活の為ではなく修行なのです。

特に禅の世界では、修行者たちが肉体労働をすることによって、さとりが観念的に終わったり、現実と遊離しないように、作務が定められています。

 神社でも

作務衣の原型は、安陀会あんだえ五条衣などといわれるものです。安陀会はサンスクリット語のアンダバシャ衣の部分的な音写で、肌着として使用されるもので、内衣ないえ、中宿衣、裏衣、中著衣、下衣げえなどと訳されます。

アンダバシャ衣は三種の袈裟の一つですが、作業着ですから、今の私たちの感覚の袈裟とは少し異なります。

安陀会は、部屋にいるとき、外出のとき、色々な雑務をするとき、などに着るので道行衣どうぎょうえとか院内道行雑作衣とも呼ばれます。

現在では作務衣の用途が広がり、一般ではくつろぐ着として、和風店舗ではユニホームとして、宿では着やすさから浴衣に代って寝間着として、といろいろな場で活躍しています。

神社でも作務衣を使うことがあります。寺では黒や色物を使用していますが、神社の場合は白で、白作務衣、作業衣などと呼ばれています。

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